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労働組合の種類と合同労組とは?

第1 労働組合の歴史

労働組合運動の初期には、職種ごとに熟練工を組織した「職業別労働組合」が一般的でしたが、資本主義制度が確立・発展し、労働者の数が増大し、
半熟練・未熟練の労働者の比重が高まる中で、「産業別労働組合」、「一般労働組合」が発展しました。
欧米では、今日、産業別労働組合がもっとも基本的な形になっています。

1 職業別労働組合
同じ熟練職種の労働者が、地域別に結集する組織です。
例えば、産業革命以前のイギリスでは、同じ職種の熟練職人が、その地域ごとに組織を作りました。
当時の工業は、手工業の段階にあり、熟練職人の役割が決定的で、しかも少数だったため、その有利な条件を利用して、労働条件の権利の拡大に努めることができました。

2 産業別労働組合
産業革命による非熟練労働者の大量出現により発展した形態です。
熟練非熟練の別なく、同一産業に属する労働者が直接加入する、大規模な横断的労働組合です。

3 一般労働組合
職種、産業の別を問わず、広い地域にわたって労働者を組織する労働組合です。

第2 日本における労働組合の主な種類

今日の我が国では、産業別労働組合もありますが、「企業別労働組合」の組会員が組織労働者の大半を占めています。
また、一定地域の労働者を企業、産業に関わりなく合同して組織化した「地域一般労働組合」(我が国特有の合同労組)が存在します。

1 企業別労働組合
特定の企業に属する労働者を職種の別なく組織した労働組合です。
我が国の大企業を中心とした正社員が終身雇用制の下で企業との共同体となることを基盤として成立しています。
企業別労働組合は、組合員意識より企業意識が強く基本的に労使協調路線に立ちます。

2 地域一般労働組合(我が国特有の合同労組)
中小企業にはそもそも独自の労働組合がない場合も多いです。
地域一般労働組合は,こうした労働組合のない企業等で勤める労働者等を対象に,企業の中ではなく,一定地域を団結の場として組織された労働組合です。
労働者1人からでも加入することができ,会社との間で問題が生じた場合には,企業別の労働組合と同様に,会社と団体交渉をする権限を持っています。
地域一般労働組合は,特定企業に基盤を持つ労働組合ではないため,団体交渉等を行う場合にも,相互の考え方やスタンスに共通理解ができておらず,
交渉が難航する場合もあります。
そのため,地域一般労働組合との交渉においては,当該組合の姿勢等も踏まえたうえで,慎重に対応をしていく必要があります。

ご不明点等があれば,弁護士までご相談ください。