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労働審判とは

労働審判とは、裁判官である労働審判官1名と民間から選出され労働関係に関する専門的な知識経験を有する労働審判員2名の合計3名で構成される労働審判委員会が、個別労働関係民事紛争について審理し、調停成立による解決の見込がある場合には調停を試み、調停による解決に至らない場合には労働審判を行うことにより紛争の実情に即した迅速、適正括実効的な解決を図る制度です。

労働審判においては、労働審判委員会が双方の意見を聞きながら、一定の見解を示し、調停による合意の形成を目指し審尋が進められます。調停の成立は、労働者、会社双方の合意が必要ですので、一方でも納得しない場合には、労働審判委員会による審判が下されます。労働審判委員会による審判に納得できない場合には、審判の内容に対して、異議を申し立てることができ、異議を申し立てれば、通常の民事訴訟に移行します。

通常の民事訴訟や労働組合との団体交渉に比して、労働審判には以下のような特徴があります。

最大で3回

通常の民事訴訟の期日では、訴訟提起から裁判所による判決まで半年から1年程度の期間がかかり、期日も10回を重ねることも珍しくはありません。
他方、労働審判においては、最大でも想定される期日は3回であり、労働者から労働審判の申立があってから、労働審判が終了するまでの日数は平均でも70日程度という統計資料もあります。

第1回期日の重要性

通常の民事訴訟では、訴訟提起の段階では、概略的な主張にとどめ、期日を重ねる度に小出しに主張・立証するような進行をすることがあります。原告・被告がそれぞれ主張を小出しにして、主張のラリーのようになり、徒に審理が長期化することもあります。
他方、労働審判においては、申立人・相手方双方ともに、第1回期日までに全ての主張書面や証拠書面を事前に一括して提出することが求められます。
従って、労働審判対応においては、第1回期日が非常に重要であり、労働審判委員会の心証形成においても第1回期日における主張・立証活動が調停・審判の判断に大きく影響します。

会社側の労働審判対応の専門性

申立をする労働者の側は、申立時期を自由に選択することができますが、会社側は、突然、申立書及び証拠書類の写しとともに、労働審判期日の呼出状が届くことになります。そして、労働審判の申立から40日以内に第1回期日が指定され、第1回期日の1週間前までには、反論の書面と証拠書類の提出を求められることになります。(2)で記載したとおり、労働審判においては、第1回期日における攻撃防御が肝となりますので、第1回期日に向けて充実した反論をするためには、会社側の労働審判に精通した弁護士による対応が必要です。

労働審判の代理人になれるのは弁護士だけ

労働審判は、労働者対会社の個別的労働紛争を解決するための手続ですので、労働組合は労働者の代理人となることはもちろん、会社との窓口になることもありません。また、社会保険労務士も同様です。